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posted / 2016.12.26

【法律】遺産分割と預貯金

平成28年12月19日,預貯金の遺産分割対象性が争われた審判事件の最高裁大法廷決定で注目すべき判断がされましたので,ご紹介いたします。

意外に思われるかもしれませんが,これまでの法律実務では,金融機関に預けてある被相続人名義の預貯金は,原則として遺産分割の対象とはならず,遺産分割協議を経ずとも法定相続分に従って相続人が当然に分割取得するものとされてきました。そして,例外的に,預貯金を遺産分割の対象にすることにつき相続人全員の同意がある場合に限り,預貯金が遺産分割の対象とされる取り扱いがなされていました。

しかし今回,上記最高裁決定では,「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である」と判示し,これまでの取り扱いが変更されることになりました。

最高裁が従前の取り扱いを変更した理由としては,①相続人間の実質的公平を図るためには,被相続人の財産をできる限り幅広く遺産分割の対象とすることが望ましいこと,②預貯金は,具体的な遺産分割方法を定めるにあたっての調整に資する財産であること,③預貯金は,現金に近い性質の財産といえるため,取り扱いを異にする理由に乏しいこと,④実務上,相続人全員の同意を得て,預貯金も遺産分割の対象として取り扱われる事例が多いこと,等が挙げられています。