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posted / 2016.12.14

【法律】夫婦共有財産と使い込み

夫婦の一方が,夫婦共有財産を勝手に使い込んでしまってトラブルになることがあります。例えば,夫が,妻の知らない間に,将来のために貯めていた預貯金(どちらの名義かは問いません)をギャンブルに浪費してしまったというケースは珍しくありません。このような場合,一方配偶者は,使い込みをした他方配偶者に対して,その使い込んだ金銭を返せということができるのかが問題となります。

裁判実務上では,原則として使い込みは不法行為を構成せず,損害賠償請求はできないと解されています。これは,夫婦共有財産については,抽象的には夫婦各々が持分を有しているものの,財産分与等を経ることで夫婦共有財産に対する具体的権利内容が形成・確定されない限りは,侵害を主張し得る具体的権利とはいえないため等と説明されます。

ただし,上記の例外として,使い込みをした金額が将来の財産分与として考えられる対象・範囲を著しく逸脱する場合や,一方配偶者を困惑させる等の不当な目的のもとに行われた場合など特別の事情がある時には,不法行為を構成し,財産分与前であっても損害賠償請求ができると判断した裁判例(東京地判平成4年8月26日)も存在することに注意が必要です。

使い込みが不法行為を構成せず,損害賠償請求ができない場合には,当該使い込みは離婚にあたって財産分与の範囲を決定する際に考慮されることになります。すなわち,財産分与は「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して」分与の額を定めるものとされおり(民法768条3項),当然ながら使い込みの事実も財産分与の額を決定する際に反映されることになります。