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労働問題


1 賃金に関する問題

賃金とは,使用者が労働者に労働の対価として支払うものであって,広義では日月給(狭義の所定賃金),賞与,割増賃金(残業代),退職金といった種類があります。賃金の支払いに関しては,法律で細かな定めが設けられており,使用者はそれらの定めを遵守しなければなりません。
以下では,典型的な賃金に関する紛争について説明します。

(1)残業代の未払い

使用者は,法律の定めに従った計算による残業代を支払わなければなりません。
残業代の未払いが問題となる類型としては,①サービス残業を強いる事例,②実体を伴っていないにもかかわらず肩書だけ管理職の名が付され,管理職の地位にあるとして残業代が支払われない事例(いわゆる「名ばかり管理職」問題),③法律に従って算定される金額に満たない固定残業代しか支払われない事例等があります。いずれの事例も違法であり,労働者は使用者に対して残業代の支払を請求することができます。

賃金請求権は,退職金以外の賃金は2年,退職金は5年の消滅時効がありますので,未払賃金があることが判明した場合には早期の対応をとらなければなりません。

(2)賃金の切り下げ

使用者が賃金額を含む労働条件を一方的に不利益に変更することは,一定の例外を除き認められません。したがって,使用者から一方的に賃金を減額された場合,減額分は未払賃金として請求することができます。

労働者の個別同意無しに労働条件を不利益に変更することが許される場合として,使用者と労働組合との間で締結される労働協約に基づく変更があります。もっとも,労働協約に基づく変更も無制限ではなく,事情によっては労働協約の効果が否定されることもあります。

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2 労働契約の終了に関する問題

(1)労働契約終了の制限

労働契約の終了には,有期雇用契約における更新拒絶(雇止め),使用者からの一方的解約である解雇,労働者からの一方的解約である退職があります。
このうち,更新拒絶と解雇については,労働者の意思に基づかずに労働契約を一方的に打ち切るものであるため,労働者保護の観点から,法律により一定の制限が定められています。
法律の定めに違反する更新拒絶や解雇は無効であり,無効な更新拒絶や解雇を受けたために就労できなかった期間の賃金の支払いを請求することができます。

(2)制限の内容

ア 解雇全般に関する制限

解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合には,権利濫用として無効となります(解雇権濫用法理)。この法理は,解雇の種類・理由を問わず,すべての解雇に適用されます。
例えば,非違行為を理由とする普通解雇の場合には,理由とされた非違行為が存在することを前提として,①当該非違行為の内容・程度が相応に重いものであるか,②弁明の機会を与えているか,③改善の機会が与えられていたか,④先例の同種事案における処分内容との比較で公平といえるか等の事情を考慮して,権利濫用か否かが判断されることになります。

経営事情により従業員数の削減をする必要がある場合に行われる「整理解雇」においては,①人員削減の必要性の存在及び程度,②解雇回避の努力,③解雇対象者の選定基準及び選定の合理性,④事前の説明及び協議の努力といった,やや特殊な基準を用いて権利濫用か否かが判断されます。

イ 懲戒解雇

懲戒解雇は,制裁罰の懲戒処分として行われる解雇であり,解雇予告手当や退職金の全部又は一部が不支給とされることも多いため,労働者にとって極めて不利益の大きな重大処分です。
懲戒解雇が有効とされるためには,懲戒事由が存在することを前提として①懲戒事由が就業規則に規定されていること、②就業規則に規定された懲戒事由の内容が合理的であること、③就業規則が労働者に周知されていることのほか、④上記アの解雇権濫用法理に反していないこと等の要件を満たしていることが必要とされます。

ウ 更新拒絶(雇止め)

有期雇用契約の期間満了に際して,使用者が契約更新を拒絶することを「雇止め」と呼びます。雇止めは,契約当初から雇用期間が合意されていたものであるため,更新するか否かは使用者の自由であるとも考えられる反面,一定の事情の下では更新を拒絶することが使用者による権利濫用と評価されて認められないことがあります。

具体的には①有期雇用契約が過去に反復して更新されたことがあるか,又は労働者が有期雇用契約が更新されるものと期待することに合理的な理由がある場合であって,かつ②労働者が有期雇用契約の期間満了前若しくは期間満了後遅滞なく更新の意思表示をし,③使用者が更新を拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないときには,更新拒絶は権利濫用として許されません。

雇止めが権利濫用と判断された場合には,従前の有期雇用契約の労働条件と同一の労働条件で契約が更新されたものと見做されます。

エ 退職強要

使用者から自主退職を勧められることがありますが(退職勧奨),当然ながら労働者がこれに応じる義務はありません。しかし時に,労働者が明確に退職の意思がないことを示しているにもかかわらず,退職勧奨が繰り返し執拗に行われることがあります。
退職勧奨の手段・方法・目的が社会通念上相当性を欠く場合には,違法な退職強要となり,それ自体が不法行為として損害賠償請求の対象となることがあります。また,違法な退職強要の結果として退職届を出してしまった場合には,当該退職届の効力を争うこともできます。

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3 いじめ,パワハラ,セクハラ

職場でのいじめ,パワハラ,セクハラは,様々な動機や態様で行われます。例えば,退職強要の一環として,退職勧奨に応じない労働者を退職に追い込むという動機の下にいじめ等が行われることもあります。また,いじめ等の手段として配置転換等の業務命令が用いられることもあります。
労働者には,良好な環境で就業する権利や能力に相応する処遇を受ける権利といった,労働環境上での様々な権利・利益が保護されると考えられています。いじめ等によって労働者のこれらの権利・利益が侵害された場合には,不法行為として損害賠償請求の対象となります。
いじめ等に基づき損害賠償請求をする場合に最も問題となるのは,いじめ等があったことを証明するための証拠収集です。録音,写真,即時メモ等によりいじめ等の実態を記録化しておくことが重要です。
労働者が,いじめ等が原因でうつ病等の精神疾患を発症したり,さらにその結果として自殺に至ってしまった場合には,労災認定の対象となる可能性があります。

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4 過労

労働者が,過労が原因で脳・心臓疾患あるいはうつ病等の精神疾患を発症したり,さらにその結果として死亡に至ってしまった場合(過労死,過労自殺)には,労災認定の対象となります。

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